ビットコインキャッシュは、2017年8月にビットコインからのハードフォーク(分裂)で誕生しました。
ビットコインの様々な問題を解消しています。ビットコインは、ここ数年で認知度が上昇、取引量が増加してきたことで、処理が追い付かなくなり、送金詰まりや手数料の上昇などの問題が指摘されてきています。
ビットコインのしくみでは、一定時間(およそ10分)の間にリクエストされた取引(トランザクション)をまとめてブロックを生成します。このブロックの容量には1MB(メガバイト)という制限があるため、取引の増加によってブロックに収まらないトランザクションが発生すると、それらは次のブロック生成まで処理待ち状態となり、送金詰まりが起こってしまいます。
これを解決するため、いくつもの解決案がコミュニティーで検討されました。
ひとつは Segwit(セグウィット)というもので、取引データを小さくすることで同じブロックサイズでも扱える取引量を増やすというもの。もう一つがブロックサイズ自体を大きくするというものです。これは後方互換性が無くなり、ハードフォークとなります。
後者のハードフォークで誕生したのがビットコインキャッシュです。ビットコインキャッシュでは、ブロックサイズが柔軟に調整可能になりました。1MB だった容量はデフォルトで 8MB に拡張され、スケーラビリティの問題を解決しています。
ビットコインキャッシュではこれ以外にトランザクションの署名形式の改善、発掘難易度調整のアルゴリズムの改善も行われています。
トランザクションの署名形式の改善
ビットコインではスケーラビリティ問題の解決策として SegWit(セグウィット)という方式を採用しましたが、ビットコインキャッシュでは採用していません。これはさほど大きな効果が無く、問題の先送りでしかない、セキュリティ上も懸念があるためとしています。
発掘難易度調整のアルゴリズムの改善
ブロックの生成間隔は10分程度になるよう、ブロック生成の難易度の調整が行われます。ビットコインの場合は2週間に一度、この調整が行われますが、ビットコインキャッシュではブロックごとに難易度調整が行われます。このため、ビットコインと比べてブロック生成時間のムラが無くなり、より安定した稼働となります。
また、2018年5月のアップデートでは、ブロックの容量はさらに 32MB まで拡張となり、そしてスマートコントラクトの実装が可能になりました。